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それでも僕はバントのサインを出す 

■高校野球 送りバントの多さへの提案
(誠天調書より)

まず最初に、僕は高校野球の監督です。
ただ、高校野球といっても甲子園と言った華やかな舞台もなければ活躍しても取り上げられないと言う軟式野球の監督ですが。

そんな日陰の存在ではありますが、それなりに結果は残しています。80校近くが参加する地区大会で優勝し、関東大会でも3位になった実績があります。その立場で上記の記事について自分の思ったことを書きます。

もちろん、軟式野球と硬式野球ではプレイスタイルが違います。
当然作戦にもその違いが反映されるのですが、その点をご理解いただいた上でこれから書く文章を読んでいただければ幸いです。

結論から言いましょう。
僕はこれからも送りバントを控えることはないでしょう。

なぜか?
その方が確実だからです。

上記の記事では「そんなわけはない」というデータも出ていますが、そのデータのナンセンスさについては後で触れることにしておいて、まずは「確実に点を取りに行くことの重要さ」について書きます。

基本的にトーナメントで争われる高校野球は、負ければ全てを失うシビアな世界です。チーム間に力の差があれば強攻策に出て打ち勝つ、ということもあるでしょう。しかし、勝ち進んでいけば力の差は自ずと狭まり、拮抗した状況のもとで戦うことをいずれ強いられることになります。そういう相手と対戦した時に、チャンス(得点が取れる状況)が作れないようでは負けてしまいます。

ランナー1塁の時は長打を打たれなければ点は入りません。ですが、ランナーを2塁、3塁に進められれば、シングルヒットで点が入るのです。そして実際にプレイして守っている選手は、そのような「点が入ってしまう」状況にこそプレッシャーを感じるものなのです。

もちろん、チャンスを作ったからと言っていつもいつも点を取れるとは限りません。しかし確率的に考えて、チャンスの少ないチームよりも多いチームの方がより多く点を取れる可能性があるのは自明です。極論すれば、

そのようなチャンスを多く作れるチームこそが「強いチーム」

なのだと僕は思います。

試合に勝つのにビッグイニングは必要ありません。
どのチームも攻撃は9回もできるのです。
そのチャンスを半分もモノにできれば5点も取れるんですよ?

「でも、強攻策に出た方が点入ってるじゃん」

というのが上記記事の「データ」なのですが…
送りバントが「1点を確実に取りに行く」作戦である以上、平均得点が1点を切るのは当たり前(得点に結びつかないケースもあるだろうし)で、一方で1回に5点も10点も入ることがあるヒッティングの方は平均得点が1を越えることは十分考えられるわけで、もとから同じ土俵には立ってないわけですよ。
そんなものを比較してどうするのかと。

例えば、ノーアウト1塁の場面で

送りバントをして10回中5回得点平均得点は0.5点
(作戦の性質から考えて、得点数は1点としました)

となるわけですが、

ヒッティングに出て10回中1回得点に結びついて10点取りました!
平均得点は1.0点

となるわけです。
この結果から「平均得点が多いからヒッティングの方が有利」というのは

一昨日は0対3で負けました。
昨日も0対3で負けました。
でも今日は9対0で勝ったので、
平均すると3対2だから結果的にウチの勝ち。

と言っているのと同じことです。

まぁ実際、得点する確率はそんなに差がない…
(送りバント46.8%、ヒッティング49.5%)

というか数字だけで単純に比較すると送りバントの方が少ない、というデータが出ているようですが、サンプル数が少なくて数%の差が果たして決定的な差なのか疑問が残ります。また、「ヒッティング」の中には「ヒットエンドラン」の指示が出ていたものも少なくないハズなので、実際に自由に打たせて点を取ったものとの比較ではない、ということは指摘しておきます。

もちろん試合の流れによって強気で行く場面もありますが、
「どうしても点が欲しい場面」で送らないのは愚の骨頂だと僕は思います。

下に挙げるように「送りバントは決して確実ではないんだ」という主張もしているようですが

    このように見てみると高校野球では、回の先頭打者がランナーに出た場合、打ちに行った方が良いように思われる。確かに、送りバントをすればダブルプレーは減らせるのかもしれないが、点数が取れる確率が下がるのでは意味がないのではないか。しかも、ダブルプレーになる確率自体、10%程度と低く、それこそ送りバントの成功確率が先述のように約87.3%なので、バントを失敗する確率(12.7%)の方が高いのである。

強攻策に出てダブルプレーになる確率
バントしてランナーを送れなかった確率
そもそも考えている事象が違うので比較しちゃいけないと思います。

ランナーを送れない確率で言ったら、強攻策の方が圧倒的に多いでしょうに。

長くなっちゃったのでまとめます。
繰り返しになりますが、

試合に勝つのにビッグイニングは必要ありません。

何試合もやって1回来るかどうかわからないビッグイニングに期待する野球をするくらいなら、僕は得点圏にランナーを着実に送ってコツコツ点を取る野球を選びます。

だから、僕は今度の試合でも送りバントのサインを出します。

[追記]

と、ここまで長々と書き終わった後で、

「WBCで優勝した日本の野球がどういうものだったかを考えれば、
 送りバントの重要性は一発でわかるよね」


と一言言えば済むことに気がついた。orz

[さらに追記]

その後の話も書きました。
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コメント

>「WBCで優勝した日本の野球がどういうものだったかを考えれば、
>送りバントの重要性は一発でわかるよね」
多村のバント失敗は無視ですか(失笑)

無視してませんが、それが何か?

>多村のバント失敗は無視ですか(失笑)

強攻策に出て失敗してしまった例が多数あることをお忘れなく。(笑)

誰も「送りバントは必ず成功する」なんて言ってませんよ。

このデータから何故、「1点を取るにもバントは不利」という結論が出てこないのか不思議です。

「確実に1点を取る方法」の存在を信じているのは、
オカルトとさえ言えます。
そんな方法あるわけないのに。


  • [2008/07/07 05:29]
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